慶尚南道の南海は南海島と呼ばれる島で、大きさでは韓国で5番目に大きい島です。船には乗らず、橋を渡って島に入ることからあまり島という感じはしませんが、常に海とともにあり、海と織り成す美しい風景にあふれています。また南海の海は閑麗海上国立公園に指定されており、優れた自然環境ととびきり美しい風景を保っています。粘り強い南海の人々が開拓した南海佳川村の棚田、閑麗海上国立公園の秘境が見下ろせる南海錦山、韓国の原始漁業がそのまま残る南海知足海峡竹防簾は、国が認める美しい自然景観の名勝として指定されています。また、昔から海風を防ぎ、魚を呼び込むために作られた勿巾里防潮魚付林は天然記念物であり、韓国の伝統を垣間見ることができる場所となっています。南海は美しい海の風景を保つところでありながら、もっとも韓国らしい風景が残る土地と言えます

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ダレンイ村の全景錦山の雲

★周辺の観光地
　　　　　　　　ダレンイ村

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　棚田の風景

★海岸絶壁からの風景しょいこ道

南海郡南面は多くの海岸絶壁を抱えており、荒い海とやせた陸地の残る場所です。南海郡南面虹峴里に位置するダレンイ村もまた、村の上には海抜480mの雪屹山が高くそびえ立っており、下の方ははるか遠くまで海岸絶壁がつづいています。ダレンイ村はもっとも韓国らしい風景として指折り数えられる「棚田」に出会える場所です。棚田は稲作のために山岸を削って作られた田で、山岸の大きさによって何段にも段をなしています。ダレンイ村を見て回るには、観光案内所側の下り坂ではなく、バス停から直行で村に降りていく道を利用するのがおすすめ。ダレンイ村を過ぎ、棚田を見下ろしながら海岸まで降りていけば棚田の風景が存分に見渡せます。村を過ぎると、棚田に続く「しょいこ道」と呼ばれる散歩道と、海岸へ下る道に分かれます。海岸へ降りると岩盤の間をつなぐ吊り橋があり、絶壁の下を波が打ち寄せる姿は壮観です。ダレンイ村と棚田の全景は、ダレンイ村観光案内所から沙村海岸方面に少し行ったところにある展望台から一目で見渡すことができます。 （ホームページ：http://darangyi.go2vil.org（韓国語）
 
★錦山菩提庵

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　上段写真：菩提庵周辺の雲
下段写真左：菩提庵海水観音像／写真右：尚州銀砂ビーチ

南海を代表する山、錦山は、錦をまとったように美しいという意味から閑麗海上国立公園に含まれており、菩提庵の入り口まで車で行くことができる、気軽に見て回ることのできる場所です。菩提庵の駐車場から車で登ることもできますが、楽に行くなら菩提庵の入り口まで随時運行しているシャトルバスの利用が賢い方法と言えるでしょう。錦山の頂上へ登る道は菩提庵の入り口にあり、頂上までは200ｍ、5分ほどで登れます。錦山の頂上に立つと、海岸の美しい尚州銀砂ビーチが一目で見渡せ、あたりの山勢と奇岩絶壁が涼しげに広がっています。錦山の菩提庵は、韓国3大海水観音像がある場所の一つとして祈りを叶えてくれることで知られており、 閑麗海上国立公園の風景は南海では最高といわれる絶景ポイントです。（ 観光案内電話：+82-2-1330（日本語）

★韓国で出会うドイツ村

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　南海派独展示館、ドイツ村の風景

ドイツ村はドイツ在住同胞のために建てられた場所です。1960年代、外貨稼ぎのためドイツに鉱夫や看護師が大々的に派遣され、韓国の近代化と経済発展に貢献するだけでなく、韓国が成長する上で大きな原動力となりました。ドイツ村は、簡単に祖国に帰れないでいる派独鉱夫や看護師が祖国に戻って定着させ、これを観光資源にするために造られた村です。
ドイツ村には白の外観にオレンジの屋根を基調とした美しい建物34棟がひしめき合っています。ハイデルベルク、フランクフルトなど、その多くはドイツ式の名前がつけられているのもドイツ村の特徴のひとつ。ドイツ村の入り口から坂を上るにつれ、勿巾港と勿巾里防潮魚付林が目に飛び込んできます。青い海とドイツ村の色合いは、まるで一枚の絵を切り取ったように美しいです。ドイツ村のほとんどの建物はペンションとして運営されています。ドイツ村内は派独展示館、ドイツ文化広報館、ドイツ料理が食べられる食堂や、お土産が買える記念品販売店などが入ったドイツ文化体験センターなどから構成されています。ドイツ文化体験センターの近くには様々な美しい庭園に出会える園芸芸術村があり、あわせて見て回ると良いでしょう。（ホームペ：http://남해독일마을.com　観光案内電話：+82-2-1330（日本語）

 ★海辺に広がる美しい森、防潮魚付林

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　防潮魚付林を歩く旅行客

ドイツ村から海を見下ろすと、海岸に沿って細長い帯のように続く森、勿巾里防潮魚付林が見えます。韓国では遠い昔から特定の目的をもって森を作っており、中には風を防ぐ防風林、魚を集める魚付林、村の運気を保つ裨補林などがあります。勿巾里防潮魚付林は300年ほど前、海から吹き付ける海風から村を守り、緑色を好む魚の習性をいかして魚の群れを集めるためにつくられた森です。防潮魚付林では1.5kmに及ぶ海岸に沿って1万株ほどの木がひしめきあって森をなしています。森ではケヤキの木のほか、落葉樹やつる性の植物までさまざまな植物に出会うことができます。森にはデッキが敷かれており、森を散策しやすいようになっています。木々の茂みがうっそうとした森の道は原始林のごとく濃く青々としており、木々の間から海や防波堤、灯台が見渡せる風景も勿巾里防潮魚付林の独特な風景と言えます。村の近くにあるナムソンマリーナフィッシングリゾートは魚付林一帯からドイツ村までを一目で見渡すことのできる景観ポイントです。　　ホームページ：http://tour.namhae.go.kr（日本語）/ 観光案内電話：+82-2-1330（日本語）

原始漁業竹防簾

　　　　　　　　竹防簾

韓国の伝統的な原始漁業である竹防簾は、世界唯一の独特な道具であり、南海でのみ見ることのできる風景です。竹防簾は、海に扇形に竹簾を立てかけて魚を獲る手法で、昌善橋から見下ろすと海のど真ん中に左右にV字型に広がっている道具が、まさにこの竹防簾です。昌善橋は南海島の本島、三東面と、南海のもうひとつの大きな島、昌善島の昌善面をつなぐ橋で、橋の下は恐ろしいほどに潮の流れが激しいのが特徴です。昌善島と南海本島の間は知足海峡と呼ばれ、韓国国内でも水流が激しいことで知られています。竹防簾はこの激しい水流を利用して、流れとは反対方向に竹防簾をV字に設置、流れの速さから魚たちは泳ぐ力を失い吸い込まれていきます。そして、イムトンと呼ばれる円形の筌（うけ）に集まっていくというもの。主にカタクチイワシが獲れ、タチウオ、サンマ、マナガツオ、エビなども獲れます。網で獲る魚は死んでしまったり表面が傷ついて商品価値が落ちてしまいますが、 竹防簾で獲れた魚は生きたままあげられるため、新鮮なのはもちろん、商品価値としても最上の価値が与えられます。特にカタクチイワシは 竹防カタクチイワシと呼ばれ、韓国でもっとも高価なものとして売られています。三東面の周辺にはカタクチイワシの包みご飯、カタクチイワシの刺身など、カタクチイワシを使った料理を出すお店も多く、珍味旅行を楽しむことも可能です。
ホームページ：http://tour.namhae.go.kr（日本語）/観光案内電話：+82-2-1330（日本語）

★海を思い切り楽しもう！ 尚州銀砂ビーチ＆トゥモ村

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　沙川海岸の日没シーカヤックを楽しむ旅行客
南海は島なだけあって、海が楽しめる場所がたくさんあります。きれいに透き通った海と、良質の干潟を持つ南海の海は、海水浴はもちろん、潮干狩り体験、海上レジャースポーツなど色々な体験を楽しむことができます。南海でもっとも有名な海岸は尚州面に位置する尚州銀砂ビーチです。白砂浜はきめ細かな砂が敷きつめられており、まるで銀の粉をふりかけたように柔らかな砂でできています。尚州銀砂ビーチという名は、その美しい白浜の姿からとって付けられました。海岸は半円形を描いており、2kmに渡って白浜を覆う松林も絶景です。扇形の海岸の前にはモク島が浮かび、山々が海岸の両側を覆っており、波がおだやかで水深は浅く、海水浴にはうってつけの場所です。尚州面に位置するトゥモ村は海の体験ができる場所として広く知られており、海洋ラフティング、シーカヤックなど様々な水上レジャースポーツが楽しめ、韓国の伝統的な魚獲りの手法であるケメギ体験や海釣り体験も併せて体験してみましょう。
ホームページ：トゥモ村 http://du-mo.co.kr（韓国語）、 尚州銀砂ビーチ www.interkorea.pe.kr/j/eunmorae（韓国語）
・観光案内電話：+82-2-1330（日本語）

★南海ドイツ村近隣ゲストハウス

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ドイツ村内のゲストハウス

-ヒマラヤゲストハウス：+82-70-8825-8485（韓国語） / ホームページ：http://cafe.naver.com/himalayagh
-ドイツ村ゲストハウス：+82-55-867-5612（韓国語） / ホームページ：www.독일마을게스트하우스.com
-ファサランゲストハウス：+82-55-964-1765（韓国語）

アクセス
①市外バス：ソウル南部ターミナル⇒南海市外バスターミナル（7:00~19:30、1日11本運行）
②竹防簾（知足）、 勿巾里防潮魚付林、ドイツ村（勿巾）：南海バスターミナルから勿巾、弥助行のバスを利用、（6:40~20:10 1日11本運行） / タクシー代 知足まで1,700ウォン程度、勿巾まで20,000ウォン程度
③錦山菩提庵:南海バスターミナルから福谷（菩提庵第1駐車場）行のバスを利用、あるいは尚州、弥助行のバスを利用、錦山入り口で下車し徒歩約3km、タクシー代 15,000ウォンほど
④佳川ダレンイ村:南海バスターミナルから尚州、弥助行のバスを利用（6:20~20:15、1日18本運行）タクシー代25,000ウォン程度
⑤ 尚州銀砂ビーチ：南海バスターミナルから尚州、弥助行のバスを利用（6:30~20:20、1日19本運行）タクシー代 25,000ウォン程度
⑥トゥモ村：南海バスターミナルから 尚州、弥助行のバスを利用（6:30~20:20、1日19本運行）タクシー代 20,000ウォン程度